発端はAV人権倫理機構がHP上に公表した文書だった
それは2018年の秋も中盤に差し掛かっていた10月22日のことでした。とある機関が公式ホームページ上に掲載した文書が、我らが愛するアダルトビデオ業界を根底から揺るがしかねない大騒動に発展したのです。
すでにタイトルでお察しの通りセクシー女優のHIV感染が発覚するという、前代未聞の事件の顛末とは一体どのようなものだったのでしょうか。

特に男性陣にとってはもはや生活の一部であり、完全に市民権を得たかにも見えるAV。このページでは性産業というとても身近な存在でありながら、一方ではタブー視されがちな業界の闇の部分にあえてフォーカスしています。
表立っては語られないグレーな部分を含めて、このHIV感染問題の概要を一緒に見ていきましょう。
AV人権倫理機構のホームページに掲載された内容まとめ
まずはAV人権倫理機構が公式HPに載せた文書について、要点に絞って解説しておきましょう。
簡単に一文にまとめると、「AV出演者に実施している性感染症検査において、某プロダクション所属の1人の女優が引っかかった」という感じ。

しかもそれが単なる性病の類ではなく、最終的にはAIDS(エイズ)を発症させる危険性もあるというHIVに対する陽性反応だったためにマスコミが喰い付いて大騒ぎに発展しました。
更にはネットも反応して各種掲示板やSNSに飛び火する形となり、より多くの人々に知れ渡ることとなったのです。
ちなみにAV人権倫理機構とは、アダルトビデオ出演者の守る役割を担う第三者機関。出演者とは女優のみではなくAV男優も含めた全員を指しています。2017年にAV出演強要問題を契機として発足した、比較的新しい組織ですね。
HIVに罹患したセクシー女優の正体は誰?
1人のセクシー女優がHIVに感染し、更には罹患後にも複数のAV男優との撮影に臨んでいたというにわかには信じがたいこの事件。マスコミが第一報を報じるとともに、ネット上ではさっそく犯人探しが始まりました。
ただし業界の存亡をも揺るがしかねない極めてデリケートな問題だけに、関係者に対しては厳しい戒厳令が。
各種メディアですらそのシッポの先すらつかめないという状況の中で、ネット掲示板の特定班たちが注目したのは以下の2点でした。
・デビューしたばかりの新人女優
・風俗店からのAV業界入り
2つの手がかりを順番に見ていきましょう。
デビュー間もない新人AV女優である
件のAV女優についてメディア等から漏れ伝わってきた情報の中で、キーとなりそうだったのがこの新人女優だったという部分。デビューしてからまだ日が浅く、総出演作品数は約10本というデータですね。
ただし一説には年間3000人ものセクシー女優が生まれては消えていくを繰り返しているとも言われるアダルトビデオ業界。これっぽっちの抽象的な情報だけでは絞り込めるはずもなし。
たまに具体的な女優名があがったりはするものの、どれもイマイチ説得力の無い信憑性に欠ける投稿ばかりでした。

なんせこれだけの手がかりでは、当てはまる女優さんの数があまりにも膨大ですからね。せめてはっきりとしたデビュー年月日でも明らかにされていれば、話は違ってくるのですが・・・。
風俗店勤務からのAV業界入りした娘である
こちらも何度も報道された内容の中で、毎回のように取り上げられていた情報です。
ただ風俗嬢からセクシー女優への転身なんて、腐るほどあるパターンの一つ。しかも風俗勤務という経歴を伏せたまま活動している子も大勢いるとなると、手がかりの決め手とはなり得ません。
故に残念ながら風俗嬢経験ありという第2のキーワードも、渦中のAV女優の特定には何の役にも立たなかったのです。
結論|口を割る関係者は誰一人いなかった?
上記でも少し触れたように、この問題はアダルトビデオ業界を逆風にさらしかねない大変な一大事。

感染した女優の正体を知っているのは、一部の関係者と在籍プロダクションのスタッフ、それにメーカーから共演の事実を知らされた10人程度の男優たちのみ。更にこのことは極秘事項として扱われ、かかわった人全員に厳重な口止めがなされたのです。
当然マスコミはごくわずかの人間しか知らない真相を暴こうと躍起になりましたが、口を割る事務所や男優は一人もおらず。
現在までその状態は続いており、感染した女優の名前に関する質問自体がタブー視されるような様相を呈しています。
少しモヤモヤする結末となってしまいましたが、歴史あるAV業界を守るためには仕方ない側面もあるのでしょう。ただし一連の騒動のおかげで組織としての性病・HIVに対するリテラシーが高まったことは確か。業界の健全化はAVそのものの存続および発展にとっても、長い目で見れば確実にプラスなのです。
AV撮影現場で男優はコンドームを付ける?それとも付けない?
AVにおけるゴムあり・ゴムなし論争は、アダルトビデオの黎明期からたびたび俎上に上がるテーマですね。
特にエロ動画には修正が当たり前だった80・90年代~2000年初頭までは、画質の低さやモザイクの粗さが邪魔をして素人が判別するのは困難な時代でした。
モザイク無しの無修正AVを見るためには、違法な裏ビデオや裏DVDに手を出すしか手段の無かった時代でもありますね。そんな大変に貴重だった無修正エロ動画をたったの数千円払うだけで見放題になるなんて・・・現在の状態は当時のエロビデオフリークからすれば、1ミリも予想することのできない恵まれた環境が実現したといえるでしょう。
少し話題が横道にそれてしまいましたが、ではAVの撮影現場では男優さんはきちんとゴムを付けてから挿入しているのでしょうか。それとも欲望のおもむくままに生でハメハメしてしまっているのでしょうか。
実はそうした疑問に対して一言で回答することは非常に難しく、あえてまとめるなら「コンドーム着用率の割合は高まっているものの、全ての現場で徹底されているわけではない」ということになります。

つまり監督やメーカーの意向・作品のジャンル・モザイクの有り無し等の諸条件によって、事情は全く異なるということですね。
例えばごまかしのきかない無修正エロサイトの生ハメ・中出しアダルト動画撮影においては、当然ながら避妊具を付けていたのでは作品そのものが成立しません。ゴムありだとわかった時点で視聴者を萎えさせてしまい、ひいてはそのアダルトサイト自体の信用度も下げかねないのです。
もちろんコンドーム着用の有無にかかわらず、ほとんどのAV制作会社では万全の性病対策がとられていることは確か。近年はアダルト業界全体でコンプライアンス意識が高まってきており、その一環としてHIVやAIDS(エイズ)感染防止へ取り組む団体や個人(元AV業界関係者など)も出始めています。
また生ハメによるセックスについての詳しい解説は、以下のページでまとめていますので併せてご覧ください。